![]() そんな印象を持った小説。 1969年に発表されたフランソワーズ・サガンの 冷たい水の中の小さな太陽。 今年の夏のようにわずかばかりの陽射しみたいに。 決して熱くはならない涼しげなストーリー。 部屋からモニターをなくし テレヴィをやめてしばらくが過ぎ。 その頃をさかいに古本屋をのぞくようになり。 好きなモノだけを研ぎ澄ましてる そんなつもりになったりして。 店先で背表紙を眺めながら、 読みたかったと思っていた多くの本を探し。 指先に触れる紙の質感を感じながら斜め読み。 そんななか必然的に手にとってしまった、 けだるい夏の午後のようなトリコロールの装丁。 当時の社会問題はエッセンス的にほどこされ 男女の心の移り変わりが全編にわたり展開される。 結末ではなくて その瞬間をどのように生きたかという ヌーヴェルヴァーグの映画と同じく その一瞬を鮮やかに映し出す刹那的な美しさ。 今年の夏の終わりのせつなさは 冷たい水の中の小さな太陽のように 本の中ゆっくりと流れていく。
by helenanoguerra
| 2009-08-23 10:35
| PARIS
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