素晴らしいジャック・ドゥミの本を手に入れて ペラペラとめくりながら、 どこかいけたらいいのにと思っていた年末。 ナントでも行かない? と妹から偶然の誘い。 あっという間にテンポよく 導かれるように訪れました。 ジャック・ドゥミの出身地 そして映画ローラの舞台、ナントへ。 パリからTGVで2時間のナント。 向かう途中列車の中、 フランス人の弟とカフェをすすりながら 田舎のうつくしい景色について教えてもらう。 ぼんやりとした 会話の記憶が後から とても暖かな記憶として 思いだされるとわかるそんな時間。 到着した駅の案内所で、 ドミィのエキシビジョンのパンフレットが目にはいり 開催中だと知りました。 たくさんのうれしい偶然の重なりに、 ボクのドラマティックな針は、 運命を演出してもらえたようで すっかり振り切れていました。 そう彼の映画みたいに。 Merci a Angela 年末にエールフランスのエアバスA380就航記念イヴェントにでかけてから A380が気になりチケットを探してしまい 久しぶりの渡仏。 2階建ての538席もある大きな機体。 飛行中、 ボクの座席のヘッドレストやUSBの調子が悪いから? シートに座っただけであっというまにフランスの感覚。 ではなくて独特の香りそして絶妙な音楽がもてなしてくれる。 A380では空港に待機中 TelepopmusikのThe world can be yoursが繰り返しかかっている。 このトラックをセレクトした感覚が大好きで 離陸前そして着陸後 機内で聴きながら ひとりメランコリーにひたっていました。 この曲を聴くと日本からの期待と CDGの郷愁をいつでも感じることができる。 最高の空をありがとう。 旅の余韻がドラマティックに封印されました。 すっかり寒くなった雨の軽井沢。ハルニレテラスのベーカリー沢村で ショソンポムを食べながら 窓から見える濡れた景色を眺めている。 冬に公開される映画の一場面に 神奈川県立美術館のこの写真を奥から手前に 二人が歩いてくるシーンがある。 偶然どこかのモニターで流れていた映像。 左から右へと移動するカメラ、 一度しか観ていないこのシーン。 でもその瞬間くぎづけで あたまの中何度もリピートしてみる。 写真を一枚気にいるように映像のワンカットが好きになる。 蓮のある水面に反射する 光と影が二人の顔にきらきらとうつりこみ。 恋人と歩くときの二人をつつむ しっとりとした特別な空気が見える。 あたたかい室内でぼんやりしながら 窓から見えるミストで光る紅葉をもう一度見て。 あたまのなか再生してみる。 話の結末はどうであれ 錯覚なのか記憶なのか 夢のなかなのか 幸せな瞬間を忘れなければ ずっと生きていける。 原作のコトはもうあまり覚えてないけれど このシーンをたしかめに映画館へ行きたい。 『ノルウェイの森』 雑誌モノクルのお店が日本でもオープンして 夏のはじめにのぞいてみる。 made in JAPANが多くて外国に来たみたい。 セレクトしてある商品以上に気にいって、 いつも持ち歩いている オリーブ色のトートバック。 これが欲しかったから 定期購読したのは内緒の話。 ピクニック、旅の目的だったり 日本の雑誌とは違うオーソドックスなよそおいが心地好く。 じっと洋服の写真のページを 眺めていることに気づく。 内ポケットがたくさんあり 側面のファスナーから財布が入れられる 愛情溢れる作りこみに嬉しくなるはず。 雑誌の記事と同じように 好きの深さが伝わるそんな仕事をお手本に。 求めているヒトに届くよう。 秋のはじめ鞄を肩に思う。 雨上がり、代官山のお店に行くと親友のことを思い出す。 フランスや日本のパティスリーで働いていた彼が 一番最初に勤めたお店だからきっと。 ささやかな でもボクらが人生で重要だと思っていた ヨーロッパの生活文化がいつも話のテーマだったこと。 会うたびにいつも美味しいモノばかり食べていたこと。 大切にしていることや理想が 近かったから仲良くなれたんだと 思い出す。 薦められていた イル・プルのヴァニラのアイス。 サン・ルイ島のペルティヨンのように 美味しかったお礼はまたいつか。 ひとつひとつの食事を丁寧に とても大切にしていたこと。 食事やお茶をするたび 永遠にボクは思い出す。 いつもまっすぐだった君と。 おねだりしてる?橙色と赤色のyoplaitのマーク。 サヴィニャックも昔イラストを書いていた フランスの乳製品会社。 だけどフランスでは売ってないグルト。 イチゴ味とピーチ味。 日本にいるならチューチューしてね。 トリコロールのキャラクターみたいに。 青いパンツと 白いボタンダウンに 赤いバスクシャツを重ねて。 おねだりばかりしていたボクは こんなテーマソングを ずっと待っていた気がする。 おねだりダンスに君もチャレンジ! もしも願いがひとつかなうとしたら 大好きなあの子と やっぱり ねっ。 グルト! 桜がまだ咲いていない盛岡で仕事を早く終え街を散策。 宮沢謙治の頃の建物を見学しながら 当時の気分へ寄り道してみる。 歩きながらやっと気づいた旅の楽しみのひとつ。 知らない土地に早く溶けこむヒント。 ガジェットの地図はオフにしてどんどん街の人に話しかけ たくさんのことを教えてもらう。 予想外の道案内や その街の自慢のロケーションを 聞きながらなんともいえず心地よく。 日常から離れ浮遊した気持ち。 世界ふれあい街歩きのカメラのつもりかも。 旅行中はついつい地元のヒトと同じ料理を食べたいから。 質問はいつもひとつ。 仕事中打ち合わせで教えてもらったカフェ・クラムボン。 美味しい珈琲とホット・サンドを食べ、 静かなお店の中、居心地が良すぎて現実感がなく。 時間が止まってしまったような窓からの景色は変わらないまま。 そこで最後に教えてもらった光原社。 当時、宮沢謙治の「注文の多い料理店」を出版した会社。 今は民藝と喫茶のモダンな場所でした。 光原社へ向かう途中、軽い気持ちで思い立ったのに 井戸端会議のおばあさんや宅急便のおにいさんが 手を止め閉店時間に間に合うよう丁寧に色々な方法を教えてくれたこと。 昔よんだ宮沢賢治の物語に紛れ込んだように親切に。 自由時間はあっという間に終わってしまい。 帰りの新幹線を気にしながら橋を渡り駅へ向かう途中 北上川のバックに見えた雪の岩手山。 大好きだった童話が終わってしまう不思議な気持ち。 きっともう一度読み返してみるつもり。 小雪が舞うなかジャック・ロジェのシネマを観に映画館へ向かう途中。 日本の地下鉄メトロに乗って携帯電話を触りぼんやりしてたら。 いつからか対面に外国人の男の子が座ってました。 十五、六歳の彼、金髪の無造作な髪型がうらやましく。 ナイキのテニスシューズがフランス人だと教えてくれました。 ボクが携帯電話をカバンにいれて音楽プレーヤーと ヘッドフォンをセットし音楽を聞き始めると同時に 彼が少し笑いながらカバンから出した ノキアの携帯は同じE71でした。 初めて同じ機種の電話を見かけたのがおかしくて こちらもついつい笑顔になってしまい。 お互い照れくさくて付属のケースにしまってました。 映画”オルエットの方へ”ストーリーはあってないような。 海とヴァカンス、コケティッシュな少女たち、ただそれだけの161分。 昔から続いている定番な夏の過ごし方そしてこれからも。 誰にでもあったはずのまぶしい季節。 その瞬間を切り取りフィルムに焼き付け永遠に。 国や場所が変わればスタンダードな事柄はたくさんあって。 果物の芳醇な香りや海での滞在。 当然だったはずの定番を大切に。 さりげないコンサヴァティヴの隠された深み。 そんな奥行きの豊かさを久々に見せられた一日。 映画の中の女のコの笑顔がステキだったという 単純な一言の奥に託された表情の多様性のように。 彼はボクがずっとほしかった ヘッドフォンを金髪の髪の毛に埋もれるように つけると駅を降りていきました。 日本からカルフールがなくなっても 長いヴァカンスがなくても我慢するけど ヘッドフォンが似合うそのスタイルは ずっと変わらない憧れなのかも。 懐かしくあたたかな印象とオーソドックスだけど新しい、 ひかえめな品のよさを感じたバターのかたち。 手土産にして一緒に頂いた 年輩のそのヒトは昔ケーキといえば バター・ケーキだったこと。 当時手にいれにくかったバターを大切に おみやげのケーキを作ってくれた友人の話を 自慢そうにしてくれました。 いつもよりナイフを丁寧にいれていたその時 やっと見つけられたのは この話を聴くためだったのかもと思いつつ。 年に一度の楽しみで兄弟で喜んで食べたこと。 街に洋菓子屋ができ、 だけど素材を大切にしていたバター・ケーキは しだいになくなっていったこと。 でもこのケーキを食べたとき 当時食べたあの味を思い出し 涙が出そうになったと しばらくたって聞きました。 いずれ手に入らなくなると 言われているエシレのバター。 新鮮だったボクにとっての食感と香りは そんな昔の話で懐かしさと暖かさもいりまじり。 このバターの味の深さと同じようで。 フランスへの憧れはきっと 豊かだった昔の日本への憧れと似ていて。 でもそれは懐古趣味などではなく これから進むべき未来の姿をあらわしている気がする。 ボタンダウンのボタンを外しカーディガンを羽織りレジメンタル・タイをして仕事帰りに、 昔の誰かを見るようにスクリーンを眺めてました。 この映画を見て卒業旅行でアメリカの西海岸へ行ったことを思い出し。 映画”卒業”にかけてダスティ・ホフマンが通う大学の街へ行き ニューシネマのような街の色が気に入り、学生気分でレコードばかり見てました。 エレベーターのシーンでしていたWeSCのヘッド・フォンは 装着しているバランスがよくて好きだとか。 こんな風にヘッド・フォンから漏れる音でオンナのコに曲名を当てられた 同じ甘い記憶をたどってみたり。 トリュフォーのようなスマートなカット割りや コッポラのコヤニスカッツィのような微速度撮影。 たくさんの大好きがコラージュのように重なり。 映像表現のスタイル自体が主人公の心を表しているようで。 ずっと持ってるはずの男の子の理想や大事にしていた気持ち。 オンナのコの気持ちはわからないまま進んでいく 現実みたいな話の展開が甘酸っぱくて。 ストーリーがふたりの一日というシーケンスに区切られ その一日のファイルを前後でたらめに再生するフィルム。 記憶もこんな風に時間軸とは別に一日のフォルダーごとにあたまの中で整理され データーのように記録として残る。 結末がどうであれ途中のフォルダのなかの素晴らしい断片は 前後に関係なく鮮やかさを放っている。 すこし前、友人に”死んでしまう直前 どこで自分の一生が幸せだっかを感じられるかは たくさんの素晴らしい思いや記憶がたくさん思い出せることかもね” なんて言われたそんな美しい瞬間が垣間見れ これからに繋がるボクらのニュースタンダードな 素敵なボーイミーツガール。
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